テルビナフィンは水虫に高い効果を発揮

水虫を引き起こす白癬菌は、人の髪や爪、角質などに含まれるケラチンと呼ばれるタンパク質を好んで栄養源とするカビの仲間である真菌であり、土壌好性菌や動物好性菌、ヒト好性菌などを合わせ世界で約40種の菌種が確認されており、うち10種類が人に感染するとされ、動物から人へ感染する白癬菌も存在します。白癬菌は、温度が15度以上で湿度70%以上のジメジメとした環境で急激に増殖し始め、履いている靴の中の湿度は100%にもなり、加えて足の指間の温度は30度以上になる為に白癬菌が増殖し痒みがましていきます。水虫の痒みは、白癬菌が栄養源であるケラチンを得る為に角質を溶かす際に分泌される酵素の作用により生じ、人によっては痛みとして感じる事もあります。又、痒みに耐えきれず引っ掻き傷をつくってしまい、傷口から白癬菌が入り込み症状を悪化させるケースが多々あります。水虫の治療薬には、テルビナフィンなどのアリルアミン系や硝酸ミコナゾールなどのイミダゾール系、ブテナフィンなどのベンジルアミン系、アモロルフィンなどのモルホリン系、チオカルバミン系などが処方されています。テルビナフィンは、特に白癬菌に対して強力な殺真菌効果を有し、幅広い抗真菌スペクトルを持つアリルアミン系経口抗真菌剤であり、塗り薬で治癒し難い深在性皮膚真菌症や爪白癬、頭部白癬、角質増殖型の白癬菌症状を改善します。テルビナフィンの作用機序は、真菌細胞膜の必須構成成分とされるエルゴステロールの合成プロセスにおいて、スクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害し、真菌細胞内のスクワレン蓄積量を増加させ、エルゴステロール含有量を低下させ、真菌の増殖を抑制し菌を死滅させる高い効果が期待出来ます。

テルビナフィンが配合された人気の治療薬

テルビナフィンが配合された人気の治療薬には、ラミシールやダマリンなどがあり、スプレータイプやクリームタイプ、経口薬など色々な形で販売されています。ラミシールもダマリンも、殺真菌成分としてテルビナフィンを配合し、殺菌成分としてイソプロピルメチルフェノール、抗炎症成分としてグリチルリチン酸、鎮痒鎮痛剤としてリドカインが配合されていますが、ラミシールには角質を柔らかくして浸透率や効果を上げる尿素が配合されています。水虫は、カビの仲間とされる真菌の一種白癬菌が皮膚の確実に感染する事で発症し、白癬菌はケラチナーゼを分泌し人間の皮膚のケラチンを分解し栄養源とします。水虫特有の痒みはケラチナーゼの作用により生じています。足白癬には、汗疱状足白癬と角質増殖型足白癬、爪白癬があり、汗疱状足白癬は足の裏や足の指間などに強い痒みを伴う水疱や嚢胞が出来、歩行などで嚢胞が破れジクジクとした患部となります。角質増殖型足白癬は、汗疱状足白癬を放置したり、再発を繰り返す事により、足の裏や踵の角質が硬く肥厚しひび割れる水虫です。角質増殖型足白癬の患者の多くが、爪白癬を併発しているケースが多くあります。テルビナフィンは、特に白癬菌に強い殺菌作用を示し、真菌細胞膜の必須成分であるエルゴステロールの生合成の過程で、スクワレンからスクワレンエポキシドに置き換わる際にスクワレンエポキシダーゼの働きを阻害し、真菌細胞内のスクワレンの蓄積量を毒性効果のあるレベルまで引き上げ、エルゴステロールの含有量を低下させ、細胞膜の形成に障害を引き起こす事により殺真菌作用を発揮します。特に経口薬のテルビナフィンは、腸より爪や角質に集中し白癬菌細胞で作用しますが、血中半減期が33時間~47時間と長く白癬菌に対して低濃度でも持続性のある強い殺菌効果を発揮し、外用薬の薬理効果が届き難い角質増殖型白癬や爪白癬にも高い薬理効果を発揮します。

アリルアミン系の抗真菌薬の効果と副作用

アリルアミン系抗真菌薬はテルビナフィン塩酸塩を成分にしたもので、真菌の治療に用いられる薬です。白癬菌やカンジダ菌など、広い抗真菌スペクトルを有し、様々な症状に使用されますが、特に皮膚糸状菌に強い殺菌作用を示すため、主に水虫の治療薬として使用されます。真菌はエルゴステロールと呼ばれるコレステロールの一種を合成することで、自身を守る細胞膜を作りますが、アリルアミン系抗真菌薬はその過程にあるスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害することで、スクアレンの蓄積およびエルゴステロール含有の低下をもたらし、細胞膜の合成を阻止して崩壊させます。その結果、強い殺菌的な作用をおこすことで真菌を死滅させます。テルビナフィンにはクリームや液剤といった塗り薬のほかに、錠剤の内服薬が存在し、適用する症状は水虫、カンジダ、白癬性肉芽腫、スポロトリコーシス、クロモミコーシスなどがあります。一般的には水虫に対して塗り薬を処方しますが、爪の中に白癬菌が入り込んだ場合は、外用薬での治療は困難になるため、内服薬に切り替えて治療することになります。テルビナフィンを塗り薬で使用する場合には、強い刺激感、局所のかぶれ、かゆみ、発赤、紅斑、角質化した皮膚に亀裂が入るなどの症状が出るほか、薬剤アレルギーによる過敏症状が起こると言われています。内服薬では、吐き気、めまい、食欲不振、眠気、ふらつき、むくみ、月経異常といった症状が出るとされ、胃の不快感や腹痛などの胃腸障害、貧血などの肝機能障害も起こる可能性があります。また、他の医薬品でも起こる注意力低下が問題になるので、服用後は車の運転、機械の操作、高所作業には十分に注意しましょう。
■薬は使用する前に副作用等も確認しておきましょう
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